翻訳の機械化のこれまでとこれから
翻訳を志す人は今も昔も少なくありませんが、現在では機械化が着実に進行しています。ただ、せっかく機械化が進んではいても、その事情は明るいのでしょうか? 翻訳ソフトの使い方が効果的でなかったり、決して喜ばしいことばかりではないようですね。これには、翻訳というものに対しての世間の認識に遠因があるようです。そこで、翻訳という作業の原点から振り返ってみて、段階を追って、じっくりと翻訳という作業は何を目的としていて何が優先されるのか、そして翻訳ソフトをはじめとした機械翻訳を使うときには、どのようにして利用するのがいちばん効果的なのかを、じっくりと考えていきたいと思います。
翻訳とは、広範囲に考えると、一定の形式で表現されているものを、違う表現の(その表現されている内容に対応する)形式に翻案することを意味していますが、通常は、言語の翻訳のことを意味することがほとんどです。2つ以上の言語の間で、言葉の意味を置き換えていく作業で、会話を通して行なうときは通訳と呼び、文章として書かれているもので行なうときは翻訳と呼ぶことが多いです。専門用語の知識が欠かせないことが多いですが、それ以上に翻訳には専門知識が求められることが圧倒的に多いです。
翻訳家はそれぞれが専門分野を確立していることが珍しくありません。例をあげてみますと、契約書を翻訳することになったときはどうでしょうか? 契約にまつわる法令の用語など、法的知識に通じていなければ思ったように翻訳できなくなってしまうことが多いでしょう。自然科学の分野なども同様です。各分野にはそれぞれ難解な用語が数多く存在しますし、各分野の最新の状況にも精通していないと、いざ翻訳するとなったときにおぼつかなくなりかねません。このような事情がありますから、プロの翻訳家のニーズは、付随する知識が膨大な分野になるととても高くなります。特許・仕様書・マニュアルといった技術情報を翻訳する場にあっては、技術翻訳という言葉がありますが、たずさわる訳者のことを(翻訳家のかわりに)翻訳者と呼ぶことがあります。
翻訳は、ある言語から、異なる言語へ言葉を置き換えるときに、対応する語彙と文法を選ぶことが原則となっていることが多いです。しかし、それだけでは思ったようにできないこともあります。そうなれば、文章中の各単語や文法の対称性を無視して、文章の意味に絞って置き換えていく作業をすることで対策とすることがよくあります。これは意訳と呼ばれています。また、翻訳を通して文学作品が成立することもあります。これは翻訳文学と呼ばれています。
