機械翻訳が抱える問題点と展開方法
機械翻訳には避けられない弱点がありますから、利用するとすればその弱点をしっかりと認識して、使用方法をよく検討することが求められます。ここではそれを説明します。
翻訳ソフトを効果的に活用している人は、実際のところ多数派ではない、と説明する人も少なくありません。理由は、従来の考え方に縛られる人が多く、誤解をしていることがたいへんに多いとの説明もされているようです。特に、黎明期の翻訳ソフトの開発にたずさわった関係者の間では、現代のほうがハードウェアおよびソフトウェアの品質が非常に進歩しているにもかかわらず、誤解が蔓延しているようです。これは、当初から今まで、翻訳ソフトをどのようにして利用するのかを論じる場も機会も存在しなかったことが関係しているでしょう。
現在まで久しく、英語に通じていない人が翻訳ソフトをカスタマイズせずに実施する完全自動翻訳と、翻訳者が複雑な編集作業を行なうときに利用する翻訳支援とが、混同されているケースが非常に目立っています。英語をよく理解できないため、翻訳ソフトを利用するという考え方がとても支配的です。機械に自分の代わりに翻訳をやらせることと、自分の望み通りの翻訳を機械にやらせることとでは、同じように機械での翻訳をしているようではあってもまったく方向性が違います。
現在、機械翻訳では、文芸作品や日常会話などを正しく実施することは不可能です。逆に、マニュアルなどの説明文の翻訳であれば、内容には一定の文章構造と語彙しか登場してこないですから、機械翻訳でもとてもよい結果が得られるものです。一部の先駆的なプロの翻訳家であれば、日本語の能力も、外国語(主に英語となりますが、厳密に考えれば、必ずしも英語ばかりだと決まっているわけではありません)の能力も、翻訳能力も、コンピューターのスキルも、総じて優れていますから、翻訳ソフトの性質を的確に理解して、効率的な利用方法を選択するでしょう。こうなると、翻訳を進めるにあたって、作業時間の大幅な短縮などの成果をあげることができるはずです。
