機械翻訳のさらなる進展状況
翻訳ソフトだけではありません。さらに翻訳を助けるアイテムが登場しています。この場では、そのようなアイテムと、それを用いた翻訳状況の成果を探ってみましょう。
機械翻訳という言葉は、人間の主体性が感じられませんし、機械が全部の翻訳をするかのようなイメージにつながりかねないという傾向があります。このことが、「翻訳作業支援ツールとしての翻訳ソフト」の理解を邪魔してしまうという現象も起きています。そこで、「機械翻訳」という言葉をやめて、かわりに「翻訳ソフト」と表記することを盛んに推奨する人も出てきています。
無料から数万円までの範囲で販売されている、一般ユーザー向けの製品と、数万円から10万円を超すまでの範囲で販売されている、企業やプロの翻訳家向けの製品とに分けることができます。一般ユーザー向けの製品については、自動翻訳が根幹にあることが多く、英語をあまり理解できないユーザーでもボタンを押すだけで翻訳できるような便利さを訴求しています。それとは対照的に、企業やプロの翻訳家向けの製品となると、専門辞書や辞書の管理機能など、多くのサービスが提供されていて、翻訳支援に利用されることを前提としています。対話的翻訳をすることができる対話エディタは、最近は安価な製品にも搭載されるようになってきています。
業務用の翻訳ソフトは、誰でもプロ並みの翻訳ができるように設計されているわけではありませんが、たまに誤解している人もいるようです。業務用の翻訳ソフトを、英語があまり得意でない一般ユーザーが買ってしまう例があとを絶たないようですが、こういった業務用の翻訳ソフトを上手に使いこなすことができるのは、専門知識とスキルをたくさん身に付けている翻訳者だけに限られます。翻訳ソフトの優劣を考える場が設けられると、決まったように機械翻訳に不向きである文芸作品や日常会話を選んで翻訳させ、その結果を比べて論じているケースが見られます。しかし、これは翻訳ソフトを効率よく利用するという議論からはまったくかけ離れています。
